TOPY 鉄を生かすのは、人だと思う。

変化し続けるグローバル市場。
2度目のトピー実業入社で、ビジネスの最前線へ。

新卒でトピー実業に入社し、9年半過ごした後、他社に転職。さらに3年後に、トピー実業に再就職したという変わり種が渡辺正登だ。現在、建機部品営業部の副部長を務めている。「以前の上司に声をかけられて出戻ってきたパターンです(笑)。転職先では英語のほか各種言語の翻訳業務を行っていたのですが、トピー実業でもいよいよ海外とのやりとりが増えてきたタイミングで、身につけた国際感覚が活かせると思いました」。親会社であるトピー工業が、ショベルカーなどの足元に使われる履帯の生産拠点として中国・青島に現地法人を立ち上げた時期だった。「中国では建設工事ラッシュによる建設機械のニーズが高まっていたので、履帯で大きな世界シェアを持っていたトピー工業としても現地生産を急いでいました」。
たとえば、ショベルカーを完成させるのに必要な部品は2,000以上にものぼる。そのひとつでも欠ければ、ショベルカーは完成せず、工事の進行も滞ってしまう。「履帯という部品に関して、トピー工業は老舗でしたし、トピー実業はその販売部隊として多くのノウハウを持っていた。だから、当初はシェアを守るという側面が強かったように思います」。だが、めまぐるしいスピードで変化し続ける中国市場では、次から次に課題が降ってくることになる。

シェアを守る。新たなスキームを組む。
どちらも、商社だからできる大きな使命。

「品質、技術、管理体制など、私たちトピー工業グループの業界内での評価は高いものがあります。ただ、価格面での競合他社が次々に生まれてきているというのが、いまの市場の動向です」。トピー実業が販売している履帯は鉄鋼製品。製鋼というバックボーンがあるトピー工業は、寿命の長い、壊れにくい製品を供給するメーカーとして一定のシェアを守り続けてきた。だが、中国国内では、安価な製品が量産され、激しい攻防戦を繰り広げている最中なのである。「いまの顧客を死守して、競合の勢いを抑えるということにも注力していますが、それとは別のビジネススキームを組むことも急務だと考えています」。
新しい仕入先や販売先などを常に模索し続ける日々。「副部長という立場で私が見据えなければならないのは、“今”だけではなく“将来”のビジネスなんです。だから、プレイヤーとして動き回りながらも、戦略づくりやスキームづくりにも力を入れています」。これまでトピー工業の製品を売ることが最大のミッションだった建機部品営業部だが、別メーカーの製品も含め、扱いのバリエーションを増やしている。「そうすることで、グループとしての売上を守っていくことがミッション。グループ唯一の商社機能である私たちにしかできないことだと思います」。

仕事を「仕事」として成り立たせるために、
必須なのが「好奇心」だと思う。

管理職でありながら、自らが取引先の間を縦横無尽に飛び回る渡辺。部下に対して、「いまは背中を見せることが大切な気がする」と呟く。「教育体制を充実させて、できる限り若い社員に任せるというのが当社の社風ではありますが、いざという時には上司が動いている姿を見せるのも教育だと思っています」。管理職としての責任感に加えて、いまだ衰えを知らない「現場意識」がその眼差しには宿っているように感じられる。
「仕事と業務は別のもの」と語る渡辺にとって、「仕事」とはどのようなものなのだろう。「そこに、自分なりの創造力があるかどうかですね。それを生み出すためには好奇心が必須だと思います」。目の前の仕事にのめり込みながら、つねに別のアンテナを張り続ける。そのお陰で、新たなビジネスの入口と巡り会うケースは少なくないのだという。「我々の主戦場は建設機械部品市場です。でも、次の柱を開拓していくことも大切。選択肢は多いに越したことはないわけで、そこでも好奇心が生きてくると思いますね」。
上から言われたことをこなすだけの「業務」ではなく、そこに自分らしさを注入する「仕事」。ベテランになった渡辺が、いまも生き生きと「仕事」を続けていられるのは、紛れもない、好奇心というエネルギーがあるからに他ならない。